金融用語辞典
更新日:20150125

投資銀行

 とうしぎんこう
 investment bank
 投資銀行とは英語のインベストメント・バンクの訳語で、法人向けの証券会社を使った金融業務を営む機関です。米国やわが国では、かつては銀行・証券分離政策のもと、投資銀行業務は大証券会社が営んでいましたが、金融自由化に伴う銀・証の垣根の低下により、近年では投資銀行業務を営む業態はあいまいになっています。
 投資銀行の業務には、株式債券の引受け、株式・債券の売買の仲介、企業財務や資本戦略に関する助言・コンサルティング、企業の合併・買収(M&A)の仲介などがあり、引受や仲介に伴う手数料を主な収入源としています。
 米国においては1980年代後半から投資銀行の自己資金や借入れ資金を活用して自身の勘定で投資に乗り出す事例が目立ち始めました。また、1990年代には住宅ローン関連などの証券化商品を組成して、全世界の投資家に販売する業務に進出しました。しかも収益性を高めるために短期資金の借入れを膨らませる「レバレッジ経営」を推進するなどリスクの高い経営に傾斜しました。
 こうしたビジネス・モデルは、不動産ブームに乗って永久に続くかに見えましたが、2007年頃から顕著になったサブプライム・ショックに伴って破たんし、4大投資銀行と呼ばれたゴールドマン・サックス、リーマン・ブラザース、モルガン・スタンレー、メリル・リンチの各社のうちリーマン・ブラザース社は2008年9月に経営破たん(リーマン・ショック)し、メリル・リンチ社はバンク・オブ・アメリカ銀行の傘下に入り、ゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーはそれぞれ商業銀行化して預金受入れによる資金調達をはかることで生き延びる戦略を選択しました。
 結局、米国では投資銀行という独自の業態は消失したことになりました。とはいえ、一般事業会社が資本市場で資金の調達と運用をはかるというニーズが消え去ったわけではなく、今後とも大銀行や大証券会社の下で投資銀行的業務は生き残って行くと考えられています。
 M&A  株式  グラス・スティーガル法  リスク  債券  サブプライム・ショック  商業銀行  証券化  証券会社  有価証券(金融商品取引法)
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