金融用語辞典
更新日:20150225

デノミネーション

 でのみねーしょん
 denomination
 デノミネーションとは、新しい通貨単位を設定して通貨の呼び名を一律、機械的に変更することです。たとえば、現在の100円を1新円とか1両というように呼び名を変えることです。略して「デノミ」と呼ばれています。
 デノミネーションが行われると、あらゆる物やサービスの価格、債権債務の金額、為替レートは同じ比率で換算され、新単位建てで表示されます。紙幣のデザインも変わります。たとえば、100分の1のデノミが行なわれると、2,000円の品物は20新円で売られることになります。また、1ドル=100円という円・ドルレートは1ドル=1新円となります。したがって、インフレやデフレ、あるいは為替レートの切り上げ・切り下げと違って、特定の債権債務、資産が有利になるとか不利になることは理論的にはありません。
 わが国では、戦後の高度成長期以降、折に触れ、デノミの実施がうわさされてきました。これは、第二次大戦前後に激しいインフレに見舞われ、物価水準が戦前に比べて300倍にも上昇した結果、次のような不便な点が生じたためです。(1)各国通貨の交換レートは大体1ケタですが、日本の場合2ケタか3ケタであり、計算上の不便さだけでなく対外的な威信にとって問題となっている、(2)通貨の基準となる単位である1円では何も買えず、消費税の支払いぐらいにしか利用価値がない、(3)記帳する場合のゼロの数が多く、不便で、計算違いも生ずる。したがって、わが国の場合、デノミ論者は、100分の1とか1,000分の1に引き下げることを主張してきました。これまで実施された海外のデノミも、全て通貨単位の引き下げでした。
 これまで、デノミの実施は必要との意見が多いのですが、時の政府は、ただちに行うには時期尚早として、いまだ、実施されていません。その理由としては、(1)通貨単位を引き下げれば、新価格に端数がつくことが多いため、端数を切り上げる等の便乗値上げを生じやすい、(2)新紙幣の製造、自動販売機の作替え、帳簿の書換え、等に手間がかかり、コストアップにつながる、(3)終戦直後の金融緊急措置、臨時財産調査令等の連想から一部の資産家の換物運動を刺激する可能性がある、等の要因が挙げられています。反面、内需振興策のひとつとしてデノミを期待する意見もあります。
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