金融用語辞典
更新日:20130319

退職一時金制度

 たいしょくいちじきんせいど
 Lump-sum Retirement Allowance
 退職一時金とは、退職に当たり、勤務先の企業などから一時的に支払われる金銭のことです。退職金を年金で受け取る場合は、退職一時金とはなりません。
 多くの企業では、従業員の長年の勤労に対する報酬として、退職一時金制度を設けています。退職一時金制度は、厚生年金基金や確定給付企業年金と同様に、確定給付型退職給付制度の1つです。
 厚生年金基金などは、支払原資を外部の金融機関に積み立てるのに対して、退職一時金の原資は、一般に企業内部で準備されます。そのため、「内部積立ての退職一時金」と呼ばれることもあります。退職一時金を支払うために、企業はあらかじめ資金を用意しなければなりません。この準備資金は、個別貸借対照表においては、原則として退職給付引当金として固定負債に計上されます。こうした社内準備のほか、特定退職金共済や中小企業退職金共済などに加入して退職金を準備する方法もあります。
 なお、各企業は、従業員の退職時年齢、勤続年数、企業に対する功績(最終給与や最終役職とすることが多いようです)などに基づく退職金算定方法の規定(退職金規定等)を定めており、その規定に基づいて支払われます。退職一時金は、退職理由が定年退職やリストラなど会社都合の場合には満額支給されますが、転職など自己都合退職の場合には、満額支給されないことが多いようです。
 支払原資については、外部積立ての年金とは異なり、掛金や積立金についての規制は特になく、企業が独自に管理することが可能で、保険商品や信託商品を購入している場合もあります。また、企業が倒産した場合、外部積立ての年金原資は保全されますが、内部積立ての退職一時金原資は保全されません。したがって、企業が倒産した場合、従業員は退職金を受け取れなくなることがあります。
 一方、税金の面でも、退職一時金制度では、厚生年金基金制度などにおいて企業に適用される優遇措置が認められていません。そのため、これまで多くの企業が、節税、積立計画に基づく資金負担の平準化、従業員の福利厚生の充実化といった目的で、退職一時金制度のすべてまたは一部を企業年金制度に移行するようになっています。なお、退職一時金を一時金で受け取る場合は、退職所得控除額を差し引いた後の退職所得の金額に対して、原則として他の所得と分離して所得税が課されます。退職所得は、老後の生活保障という意味合いから、税務上優遇されています。
 企業年金  所得税  退職給付引当金  退職所得
戻る