金融用語辞典
更新日:20130401

損益分岐点

 そんえきぶんきてん
 Break-even Point
 会社金融費用を上回る利益を安定的に生み出すことができるかどうかは安全性分析だけでなく、収益性分析においても重要な問題です。
 営業活動を行う過程で発生する費用は、概して売上高に比例して増減する「変動費」と売上高に関係なくほぼ固定している「固定費」に分けることができます。売上高と変動費との間に十分なマージン(利幅)があっても、固定費があるため、売上高がある一定の水準に達しないと、固定費の負担を十分に吸収できなくて赤字になります。損益が赤字から黒字に転換する(つまり、損益がゼロの)一定の売上高水準を損益分岐点と呼びます。なお、売上高から変動費を差し引いたものを「限界利益」といい、実際の売上高が損益分岐点と等しいときは、限界利益と固定費が等しくなります。また、変動費を売上高で除した値を「変動費率」、1−変動費率を「限界利益率」といいます。
 損益分岐点売上高Xは、実際の売上高をS、変動費をV、固定費をFとすると、次のように算出されます。

  X=F÷(1−V/S)
  変動費(V):売上高、操業度に連動し、総額が比例的に変動する費用
  変動比率(V/S):売上高に対する変動費の割合
  固定費(F):売上高、操業度に連動せず、常に一定額だけ発生する費用
  限界利益(S−V):売上高から変動費を差し引いた額
  限界利益率(1−V/S):売上高に対する限界利益の割合

 たとえば、売上高100億円、固定費30億円、変動費60億円の場合の損益分岐点は、30÷(1−60/100)=75 より、75億円が損益分岐点ということになります。つまり、売上高75億円が収支均衡点で、この点を上回ることで利益が生じ始めるのです(この点を下回ると赤字が生じます)。
 主な変動費は材料費、外注加工費、搬送費、動力や燃料代などで、固定費は人件費、減価償却費、不動産関係費、保険料などです。売上原価だけでなく、販管費も同様に区分することができます。
連結ベースの製造原価明細書は開示されていないため、概略的な分析しかできませんが、前期比の売上高変化に対して売上原価がどのように変化したかを測定する「総費用法」で補足することにより、かなりの精度で変動、固定の区分をすることができます。連結ベースの区分を、製造原価明細書がある親会社の単独財務諸表で分析した結果に基づき、さらに補正することも可能です。
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