金融用語辞典
更新日:20151031

行動経済学

 こうどうけいざいがく
 behavioral economics
 行動経済学とは、実際の生身の人間を前提とし、消費者の心理状態を分析して、人間がどのように選択・行動し、購買行動や意思決定のプロセスを研究する経済学です。古典的な経済学では重要視されない心理的な要素も考慮し、経済学の前提に修正を加えようとするものです。
 人は、先入観やそのときの感情に左右されやすく、古典的な経済学が前提とする冷徹な経済人のように常に合理的に行動するわけではありません。現実の人間は、物忘れもするし、当たりそうにない宝くじを買ったり、集団でオイルショックのときトイレットペーパーを買い集めたり、不景気になってもブランドにこだわったり安心感を求めて高価な商品を選ぶこともあり、衝動的な自己の行動を後から正当化(合理化)することも多々あります。これらの行動には、目前の利益を優先するのではない消費者心理が大きく影響していると考えられます。
 行動経済学は、このような生身の人間のもっている「非合理性」を明示的に考慮して、そのような人間の立場から個人の行動や社会現象を観察・分析しようとする経済学です。第一人者は、2002年にノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマン氏です。
 彼らが提唱した理論のなかでは、プロスペクト理論、フレーミング効果などが有名です。行動経済学は、企業がいかに売上を増やしていくかを考えるのに参考にもなりそうです。なお、プロスペクト理論とは、(1)同じ額でも利益と損失では損失の方がより強く印象に残るので、損を回避することを優先する損失回避性、(2)損失・利益とも金額が大きくなるほどその感覚が鈍ってくる感応度逓減性、などが傾向として認められ、これらが意思決定にどのように影響するかを考察する理論、になります。また、フレーミング効果とは、アンケートの聞き方次第で答えが違ってくるように、全く同じものであっても人間は状況や理由次第で違うように受け取ることです。
 オイルショック  利益
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