金融用語辞典
更新日:20151130

国際石油資本(石油メジャー)

 こくさいせきゆしほん(せきゆめじゃー)
 国際石油資本とは、資本力と政治力で石油の探鉱(採掘)、生産、輸送、精製、販売までの全段階を垂直統合で行い、シェアの大部分を寡占する石油系巨大企業複合体の総称です。
 石油メジャーのうち、特に、第二次世界大戦後から1970年代まで、石油の生産をほぼ独占していた7社をセブン・シスターズと呼びました。このうち、5社が米国資本で、スタンダードオイルニュージャージー(後のエッソ)、スタンダードオイルニューヨーク(後のモービル)、スタンダードオイルカリフォルニア、ガルフオイル、テキサコ(以上3社が後のシェブロン)、残りの2社が、英国資本系のBPと、英・蘭資本系のロイヤル・ダッチ・シェルです。
 石油メジャーは1930年代からさまざまな協定、生産の国際カルテルを結び、米ソ以外の石油市場で各社の販売シェアを固定化し、石油の価格決定権を持ち、急成長してきました。油田の探索・開発を行い、油田開発に成功するとその事業会社の株主にメジャーが名前をねて実権を握りました。1950年代は、セブン・シスターズの全盛期であったといわれています。
 第二次世界大戦後、石油の需要が急拡大していく中、1950年代にサウジアラビアやクウェート、リビアなどで大規模な油田開発が続いて供給過剰が慢性化し、1960年に石油メジャーは産油国の了承なく中東産原油価格を引き下げました。これに対抗して、産油国は共同行動を取るべく、石油輸出国機構(OPEC=Organization of the Petroleum Exporting Countries)を設立しました。
 1970年代に入ると、資源ナショナリズムの高まりによってOPECの攻勢が強まり、産油国はメジャー支配脱却を進めました。石油産業の国有化宣言が相次ぎ、国が石油開発へ経営参加し、原油価格決定権も産油国に移りました。その後、二度のオイルショックを経て石油利権の完全国有化が行われ、OPECの影響が多大なものになる一方、石油メジャーの影響力は小さくなりました。
 しかし、1980年代後半以降、原子力などの代替エネルギー開発進展、省エネ技術の進展、非OPEC石油の増産などで原油は供給過剰となり価格は低下し、OPECも価格をコントロールすることは不可能となりました。現在ではニューヨーク・ロンドンの石油先物市場によって価格が決定されています。
 石油メジャーは、価格の低迷が長引いていた1990年代以降に合併・統合などで合理化を図り、現在ではエクソンモービル(エッソとモービルが合併)、シェブロン、BP、ロイヤル・ダッチ・シェルの4社に統合されています。
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