金融用語辞典
更新日:20140325

逆資産効果

 ぎゃくしさんこうか
 逆資産効果とは、家計や企業が保有する資産の価値が下落したとき、家計や企業が自分は貧しくなったと考え、消費や投資を控えることをいいます。逆資産効果によって消費や投資が減少する結果、経済全体が収縮に向かうことになります。1990年代、わが国において株式土地の価格が大幅に下落し、景気が長期低迷を続けた理由の1つとして逆資産効果があげられています。なぜ逆資産効果が生じるのか、家計を例に取って考えてみましょう。家計は、今の所得の中から今どれだけを消費し、どれだけを貯蓄に回すか、そして同時に貯蓄を各資産にどれだけの構成比率で配分するかを決定しなければなりません。家計は、現在の保有資産の総額と将来稼ぎ出すと期待される所得総額を現時点に割り引いた現在価値との和(富総額)を予算制約として、現在から将来にかけての消費を決定します。すなわち、富総額が大きくなるほど消費は増加し、逆に、富総額が小さくなるほど消費は減少します。保有資産の総額が値下がりによって減少すると、将来稼ぎ出すと期待される所得総額がその減少分以上増えなければ富総額が減少し、消費も減退することになります。もう1つ、物価の下落が名目貨幣額で固定された債務の価値を上昇させ、支出を引き下げるという効果も指摘されています。ローンを組んで買った不動産の時価評価額は下落しているのに、多額の債務はそのまま残っており、低下した金利で評価すれば、莫大な負債となります。この大きな評価損を埋め合わせるために生活費を切り詰めてローン返済に努力する、つれて消費は減退するという事例は多く見られます。これも、逆資産効果と考えられています。
 物価  不動産  株式  金利  景気  現在価値  ローン  債務  所得  資産効果  土地
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