金融用語辞典
更新日:20130405

BIS規制(バーゼル合意)

 びすきせい
 Basel Capital Accords
 BIS(国際決済銀行)とは、1930年に、第一次世界大戦後のドイツ賠償問題処理のために主要国の出資によりスイスのバーゼルに設立された銀行のことです。加盟銀行のための預金の受入れやトラスティ業務も行っていますが、第二次大戦後は、出資国の中央銀行間で国際金融問題についての政策協調を行う場として知られています。月1回の例会のほか、毎年、年次総会が開催されます。
 1988年には、BISの下部機関である「バーゼル銀行監督委員会」が、国際業務を営む銀行に対して8%以上の自己資本比率を維持することを義務付けた「BIS規制」を決定、BIS加盟国をはじめそれ以外の銀行においても導入されています。BIS規制は、銀行の経営の健全性の保持を目的に導入されたもので、自己資本比率自己資本を分子にリスク資産を分母にして算定します。その後、1996年からは第2次規制として、従来のいわゆる「信用リスク」のみの規制内容に、新たに「マーケット・リスク(市場リスク)」がリスク資産として追加されました。
 自己資本比率の計算にあたっては、まず、資産の種類ごとにそのリスクに応じた掛け目(リスク・ウエイト)を掛けたものを合計して分母となるリスク資産を求めます。たとえば、通常の貸出しや株式などは目減りするリスクが高いため掛け目が100%となり、現金や国債リスクがないとものとみなして掛け目が0%となります。分子の自己資本は、株主資本である「基本的項目(Tier1)」に、劣後債などの「補完的項目(Tier2)」と短期劣後債などの「準補完的項目(Tier3)」をプラスしたものとなりますが、「Tier2」と「Tier3」の合計額は、「Tier1」を超えてはいけないといったルールがあります。
 さらに、2006年末からは、融資先企業等の信用度を一層厳密に測定して、それに応じた自己資本充実を求めることなどを定めた「新BIS規制」が実施されています。新BIS規制における最大の変更点は、
 (1)分母となるリスク資産の計測方法において、不良資産の引当率が高いほど分母に算入する額が小さくなることや、コンピュータ障害など事務手続き上の事故や不正行為による損失の可能性をオペレーショナル・リスクとして新たに採用することでリスク計測の精緻化を図ったこと
 (2)自己資本戦略を策定し、諸リスクに対する備えに関する監督当局の検証を受けること
 (3)自己資本の構成やリスク計測の方法など市場参加者に対する情報開示を充実させること
 などです。新BIS規制の導入に伴い、従来のBIS規制という呼び方は、海外の呼称にあわせて「バーゼル合意」と呼ばれることになりました。
 2010年9月、バーゼル銀行監督委員会は、2008年から2009年にかけて起こった世界的な金融危機を教訓に、バーゼル2(新BIS規制)に次ぐ新たな枠組み(規制強化策)として「バーゼル3」を公表しました。バーゼル3は、国際的な業務を展開している銀行の自己資本の質と量の見直しが柱とされており、具体的には、狭義の中核的自己資本(コアTier1あるいは普通株)、中核的自己資本(Tier1)、総資本の3段階に区分し、それぞれ規制をかけるというものです。今後のスケジュールとしては、2013年から段階的に適用し、2019年から完全に実施する計画になっています。
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